中性脂肪とは?

中性脂肪は、体内のエネルギー源として重要な役割を果たす脂質の一種です。脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の吸収を助けたり、体温を維持したりする役割を担っています。食事から摂取した脂肪の余剰分は、中性脂肪として体内に蓄えられます。主に皮下脂肪や内臓脂肪として貯蔵され、必要時にエネルギーとして利用されるのです。

中性脂肪は、一般的な健康診断や人間ドッグの血液検査で測定できます。健康診断で測定される項目のひとつで、生活習慣病のリスク評価に用いられます。

中性脂肪の基準値

中性脂肪の健康的な値を知るには、空腹時の血液検査が一般的です。ここでの「空腹」は、水分以外を10時間以上取らない状態を指します。健康的な中性脂肪の値は、30〜149mg/dLです。

適切な量の中性脂肪は、体のエネルギー源となり、内臓を保護する役割も果たします。しかし、基準値を外れると健康リスクが高まります。高すぎれば心臓病などの危険が、低すぎればエネルギー不足の問題が生じる可能性が高いです。

出典:大正製薬

中性脂肪が高すぎる際の懸念点

中性脂肪が高すぎると、さまざまな健康リスクが高まります。血液中の中性脂肪の値が150mg/dl以上になると「高トリグリセライド血症」と診断されます。放置しておくと、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞、急性膵炎になるといわれています。

「高トリグリセライド血症」の主な原因は、食生活の乱れと運動不足です。炭水化物やお酒は控え、バランスの良い食事を心がけましょう。また、定期的に運動することも有効です。生活習慣の見直しで改善しない場合は、医療機関で薬を使った治療をする場合もあります。

出典:Clinicplus

出典:公益財団法人日本心臓財団

中性脂肪が低すぎる際の懸念点

中性脂肪は高い場合に問題視されがちですが、基準値を下回る場合も見過ごせません。中性脂肪は体にとって重要なエネルギー源です。値が極端に低いと、緊急時や長時間の運動時など、急激にエネルギーが必要となった際に対応できない恐れがあります。

中性脂肪値が低すぎる主な原因は、過度なダイエットです。極端な食事制限や過剰な運動は、体に必要な栄養素を奪ってしまう可能性があります。太らないことは大切ですが、バランスを崩さないよう注意が必要です。

出典:健康年齢

まとめ

中性脂肪は、体のエネルギー代謝において重要な役割を果たすものです。値が高すぎる場合も低すぎる場合も、それぞれ異なる健康リスクがあります。

中性脂肪の値は、食事や運動など日々の生活習慣によって大きく変動します。そのため、一時的な高値や低値を過度に心配する必要はありませんが、継続的に基準値から外れる場合は、医療機関での精密検査や生活習慣の見直しが推奨されます。