住宅ローンは変動金利と固定金利のどちらを選べばよいか

住宅ローンには、大きく固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は契約時から基本的に金利が変わらない一方で、変動金利は金利が変わる可能性があります。以下の表にそれぞれの特徴をまとめましたので、どちらの金利が良いか自分の家計に合わせて選びましょう。

固定金利 変動金利
契約当初の返済金利 高い 低い
目安にしている金利 国債金利など 短期プライムレート
金利上昇リスク 無し 有り
過去10年の店頭表示の金利 変わり無し 激しい変動
[出典] 住宅ローン金利、変動金利と固定金利のどちらを選ぶ?

7割を超える住宅ローン利用者は変動金利を選ぶ

日本経済新聞によると、住宅金融支援機構が調査した結果、住宅ローンの利用者のうち7割を超える人が変動金利を選んでいるとの統計が出ています。理由は原則として固定金利のほうが変動金利よりも高いため、当初の返済額が低い変動金利に人気があります。

参考までに2024年1月時点での金利について、固定金利の住宅ローン「フラット35」は年1%台後半です。仮に1000万円を借りた場合、ネット上にあるシミュレーションを行うと、月3万円前後の支払いが必要です。それに対して変動金利の場合は0.5%未満のところが多く、その場合月額2万5千円程度まで月の支払いとなるため変動金利を選ぶ人の割合が多いです。

[出典] 住宅ローン金利、変動金利と固定金利のどちらを選ぶ?

変動金利で意識することは日銀の政策金利

変動金利で意識することは、日銀の政策金利です。住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートと呼ばれる銀行が1年未満の短期融資のレートを基準に、一定額を上乗せして決定します。日本銀行の公式ページによると、2024年5月10日の短期プライムレートは最頻値と最低値が1.475となっており、民間銀行は基本的に短期プライムレートに1%上乗せした金利を「店頭表示金利」として紹介しています。

各銀行はさらにサービスで金利を引き下げる政策を行い、それが適用金利として実際の契約者に対して課せられた金利となります。おおよその変動金利は0%台の前半程度で推移しています。短期プライムレートが仮に2%、3%と上昇すると、店頭表示金利が3%、4%に上がるため、サービスで金利を下げたとしても契約者への負担が増すことが考えられます。

[出典] 日本銀行の公式ページ

固定金利で意識することは市場の動向

固定金利の場合は、長期の国債利回りを目安としていますが、変動金利と違い、返済期間が最長の35年間であっても契約時の金利が適用され続けるのが特徴です。また、市場の動向で長期金利が動くため、比較的動きが激しくなる特徴があります。短期金利よりも金利の上下が先に動くため、当初変動金利にしているものを固定金利に変える際に決断が間に合わず、予定が狂う可能性があります。