2024年以降の住宅ローン金利について

日銀のマイナス金利政策が今年3月に変更されたことで、住宅ローンの金利に影響が出る可能性が出てきました。今回は住宅ローンの固定金利、変動金利における影響について述べるとともに、住宅ローンの金利が上昇した場合の対策について解説していきます。

[出典] 2024年以降の住宅ローン金利はどうなる?

日銀が金利を上げる可能性

2022年にロシアがウクライナに侵攻してから、これまでエネルギーの輸入をロシアに頼っていたため、ロシアの輸入制限によりエネルギー価格が上昇しました。その結果、様々な製品や商品の価格が高騰しだしたため、物価が上昇しインフレの懸念が起こり始めました。

世界各国は利上げを行うことで、急激な物価上昇を抑えています。実際に日本でも物価の値上がりが起こり出しており、長くマイナス金利を続けていた日銀が2024年3月にマイナス金利政策解除を発表しました。これは17年ぶりの利上げとなります。このときの日銀の発表によると低金利維持の方針ですが、今後は金利がさらに上がる可能性は否定できません。

住宅ローンの固定金利で2024年以降は

固定金利は変動金利ほどの影響は受けづらいと考えられますが、わずかな上昇の可能性はあります。金融政策により現時点で日本の長期金利が低く抑えられているために、固定金利の上昇も抑えられていますが、市場の動向次第で長期金利の上限が上昇する恐れがあります。

長期金利が上昇すれば連動して固定金利が上昇するでしょう。ただし、植田和男日銀総裁は、「低水準の実質金利の推移」と強調していることから政策変更があっても長期金利の上げ幅はそれほど大きくないものと予想されます。

住宅ローンの変動金利での2024年以降は

変動金利は、固定金利と比べて影響を受けやすいです。短期プライムレート(1年以内の短期貸出金利)に1%を加えたものを基準金利とする銀行が多いです。民間の各銀行は販促の一環として「変動金利からのマイナス」キャンペーンを広告に出すことがあり、銀行により金利に違いがあります。

変動金利を検討する際に意識しておくべきは、政策金利の動向です。日銀は2024年3月にマイナス金利を解除していることから、今後さらに金利上昇に転じる可能性は否定できません。

住宅ローンの金利が上がった場合、どう対策をとるべきか

日銀のマイナス金利政策解除により、住宅ローンの金利は、変動、固定いずれも上昇傾向にあると見るべきと考えられます。変動金利を選択した場合、固定金利より月々の返済額が小さいものの、金利が半年ごとに見直されるため、返済への負担が増えてしまうことを覚悟しておきましょう。

固定金利の場合は月の返済額が大きいものの、原則金利が変わらないので、返済の計画が立てやすいでしょう。変動金利を選ぶ場合の対策としては返済シミュレーションです。金利上昇時に毎月の返済額がどう変わるのか、ネット上でシミュレーションできるようになっています。住宅ローンを申し込む前に何度もシミュレーションを行って、金利が上がっても返済に問題がないかを確認しましょう。