肝臓とは?

肝臓は、脳の次に大きな臓器で右側の大きな部分は右葉、左側の小さな部分を左葉といいます。肝臓はダメージに非常に強いという特性があるため、手術で4分の3ほどを切除しても数ヶ月で元の大きさに回復します。

出典:大阪公立大学医学部付属病院

病気になっても症状が出にくいことから、「沈黙の臓器」の異名を持ちますが、悪化してからでは手遅れであるため、定期的に検査して病気の早期発見に努めなければなりません。

肝臓の4つの働き

肝臓は人間の生命活動を維持するため、さまざまな働きをしています。今回は多くの働きの中から「代謝」「栄養素の貯蔵」「解毒」「胆汁生成」の4つに着目して解説します。

1.代謝を行う

代謝とは、物質を化学的に変化させることです。肝臓は、食事によって体内に取り入れた栄養素を身体の中の各器官が必要とする形に変化させたり、身体を動かすために必要なエネルギーに変化させたりします。肝臓があるから、私たちは食べ物をエネルギーに変換できるといってもよいでしょう。

2.栄養素を貯蔵する

肝臓には身体に必要な栄養素を貯蔵する機能があります。例えば、脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖をグリコーゲンという形に変えて蓄えたり、赤血球を作るときに必要な葉酸やビタミンB12も蓄えたりするのも肝臓の重要な働きです。

肝臓はそれらの栄養素を必要に応じて血液中に送り出し、それらを必要とする器官が栄養不足にならないように調整するという重要な役割があるため、肝臓の機能が低下すると身体の各所に栄養分が届きません。

出典:中外製薬

3.体内に入った毒を解毒する

肝臓には、体内に入った有害な物質を分解して無毒化する「解毒」の作用があります。お酒を飲むと肝臓は人体にとって有害なアセトアルデヒドを無害な水や二酸化炭素に分解してくれます。

しかし、お酒の量が多すぎたり、毎日のように継続的に摂取してしまうと肝臓はアセトアルデヒドを処理できません。アルコールのとりすぎで肝臓の機能が低下すると、肝硬変や肝不全、肝がんといった病気になってしまいます。

出典:三原城町病院

4.胆汁をつくる

肝臓で作られる黄緑色の胆汁は、胆のうという臓器に貯蔵され、体内に脂肪分が入ると分泌されて活動を開始します。胆汁の役割は以下のとおりです。

  • 脂質の消化吸収を助ける
  • 肝臓で壊された古い赤血球や取り込んだ不要な微量金属を排せつする
  • 血液中のコレステロール濃度をコントロールする

どれも身体の機能を維持するうえで必要不可欠な仕組みといってよいでしょう。

出典:協和発酵バイオの健康成分研究所