ダウ平均に影響を及ぼした出来事とは
1896年以降、ダウ平均は1世紀以上に渡ってアメリカの経済指標として、世界経済に影響を及ぼしました。その中には市場に大きな影響を及ぼしたため、忘れてはいけない出来事があります。今回は代表的な6つの歴史的な出来事について市場経済にどう影響したのか解説していきましょう。
ウォール街大暴落
1929年10月24日に発生した株価大暴落で、世界恐慌のきっかけと言われている事件です。ダウ平均は大幅に下落しました。当時のニューヨークのウォール街はすでに世界をリードしている経済拠点で、暴落が起こる直前の10年間は過剰気味の投機が続いていました。株価が急騰し投資ブームが巻き起こっていましたが、暴落直前に株価の動きが不安定になっていました。
ブラックマンデー
1987年10月19日に発生した株価大暴落です。香港が発端と言われ、ダウ平均株価が508ポイント下落した事件です。月曜日に起こったことから「暗黒の月曜日」と呼ばれるようになりました。大量の売り注文の為、コンピュータシステムが機能しないほどの状況で、それがさらなる混乱を招きます。この影響で世界中にある主要23の市場が暴落を経験しています。
リーマンショック
2008年9月15日に19世紀半ばに設立した投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことがきっかけで発生した世界金融危機です。リーマン・ショックではダウ平均が777.68ポイント下落しました。リーマン・ブラザーズはアメリカの歴史上最大級の企業倒産であったことからその影響は大きく、日本でも日経平均株価が大暴落しました。
フラッシュクラッシュ
フラッシュクラッシュとは株価が瞬間的に下落することです。2010年5月6日に発生したものは、ダウ平均株価に大きな影響を及ぼしました。数分間で一気に1,000ドル近く下落し、当時最大の下落幅として一説には1兆ドルほどの資産が吹っ飛びました。原因のひとつには英国の個人投資家「ナビンダー・シン・サラオ」がマーケットを意図的に操作したとされ、2016年に有罪判決を受けています。
OPECクラッシュ
2020年3月に原油価格が暴落した事件です。その影響でダウ平均株価が急落し、過去最大の下げ幅を記録しました。2兆ドルが1日に吹っ飛んだとも言われています。原油が暴落した原因は世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアが価格競争を仕掛けたからです。そしてこのころから中国の武漢から世界に広まりつつあった新型コロナウイルスの影響が出てきています。
新型コロナクラッシュ
新型コロナ感染症がパンデミックを起こした期間は世界経済も不安定で、ダウ平均株価も何度も大幅安を記録しました。その中でも大きなものはデルタ型の感染が拡大していた2021年7月19日です。ダウ平均株価が先週末と比べて900ドル以上下落しました。