投資信託とはどういうものか
投資信託の仕組み
投資家が集まってお金を出し合い、運用会社がそのお金を運用することで儲けを出し、その儲けを投資家達に還元するのが投資信託です。ここでいう投資家というのは大金持ちである必要はなく、ごく普通の一個人であっても構いません。1口1円から投資出来たりもするくらいですので、気軽に参加することができます。
「投資信託」と「株式投資」の違い
株式投資で儲けを出すためには、どの会社の株を買うかをよくよく調べないといけませんよね。しかし専門家ではない我々には、どういう社会情勢のときに、どういう銘柄を買えばいいのかはなかなか分からないことです。投資信託は自分で買う銘柄を選ぶ必要はなく、専門家にお金を預けて、あとはうまくやってくれとお任せする制度です。
たとえばクイズを出されたとします。難しい問題だと、自分ではうまく答えられないでしょう。しかし、自分でクイズに答えるのではなく、そのクイズに正解できそうな回答者を選ぶという問題であれば、まだ簡単そうな気がしませんか。投資信託というのは、そういうものです。
投資信託に向いている人と、向いていない人
投資信託というのは銀行に預金するのとは違い、お金が減る可能性があります。そのため、わずかであってもお金が減るのは許せないというタイプの人には向いていません。ギャンブルや銀行預金と比べればローリスクローリターンであることを理解して、多くのリターンは求めないが、多少のリスクを我慢できる人が投資信託に向いています。
投資信託のメリット・デメリット
投資信託のメリット
あまり悩まなくていい
株に投資するにしろ、債券や不動産に投資するにしろ、どういうときにどれを買えばいいかは難しい問題ですが、そのあたりの判断を専門家に任せられます。
低額で投資がはじめられる
投資で儲けるにはある程度まとまった資産が必要です。投資信託はたくさんの人から少しずつ集めますので、一人一人は低額で参加することができます。
リスクが低め
ギャンブルや株式投資と比べると、長期的には損失が出にくい構造になっています。損をするにしても、傷が浅いうちに解約しやすいのも特徴です。
値段がわかりやすい
株の値段は需要と供給で決まりますが、投資信託の値段は純資産総額を総口数で割ったものになります。昨日と今日とで急激に変化することはあまりありません。
買い手がいなくても換金できる
株は買い手がいないとどんどん値崩れしていきますが、投資信託は信託会社に解約を請求すればそのときの値段で払い戻されます。あまり大量に解約されると運営に支障が出ますが、通常は解約者が出たあとと前では値段は変わりません。これは、純資産総額が減っても、総口数も減ることで相殺されることによります。
投資信託のデメリット
売り買いの最適なタイミングは計れない
株式の値段は刻一刻と変化し、そのときどきで取引ができますが、投資信託の値段は一日ごとに固定であり、その日の取引額がいくらであったかは取引終了後に公開されます。このため、株取引のように、ある数分間だけのすごく儲かるタイミングを計るということはできなくなっています。
儲かるまでに時間がかかる
投資信託は長期的には利益の出やすい制度だと言われていますが、短期的には損失がかさむこともあります。安定して利益を出すには、10年程度の期間を見込む必要があります。
大儲けできるものではない
ローリターンですので、投資信託で大儲けして豪邸を建てようというのは無理があります。ローリスクでそんな大儲けできる方法があったら、世界中そればかりになっているでしょう。
投資以外の各種費用がかかる
投資信託購入時の手数料から、保有期間の手数料、解約の時にも留保額というのがかかります。これらを差し引いて儲けになるくらいに投資信託の値段が上がるか、利益の分配金が発生しないと儲けになりません。