再就職手当のデメリットと注意点

再就職手当は、早期の再就職を促進する目的で設けられた制度ですが、いくつかのデメリットや注意点があります。再就職手当の適用を検討する際は、デメリットや注意点を十分に理解したうえで、慎重に判断することが大切です。ここからは、再就職手当のデメリットと注意点を詳しく解説します。

失業保険を満額もらえない

再就職手当を受給すると、早期の再就職によるまとまった収入を得られる一方で、長期的な失業保険の支給を受けられなくなるというデメリットがあります。ただし、失業保険は自己都合による離職の場合、離職後2か月間の給付制限があります。

再就職までの2か月間が無収入になることを考えると、再就職手当の受給を目指して早期に就職を決めたほうが、経済的には有利といえるでしょう。特に、転職を検討している場合は、再就職手当を活用することで、スムーズな再就職とまとまった収入の確保が期待できます。

支給条件が厳しい

再就職手当の支給には、いくつかの条件が設けられています。主な条件は、以下のとおりです。


出典:再就職手当についてのリーフレット

上記の条件をひとつでも満たさないと支給されません。支給条件をきちんと満たしているかを、事前によくチェックしておきましょう。

失業手当支給日数が3分の1未満だと支給されない

再就職手当の支給要件のひとつに、失業手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上であることが挙げられます。つまり、失業手当の支給日数が全体の3分の1未満になってしまうと、再就職手当が支給されないのです。

例えば、所定給付日数が90日の場合、失業手当の支給残日数が30日未満になると、再就職手当は支給されません。再就職に時間がかかってしまった場合は手当がもらえなくなるため、転職する際は失業手当の支給残日数に注意を払う必要があるでしょう。

支給されるまでに時間がかかる

再就職手当は、ハローワークに再就職したことを申請してから支給までに、約1か月ほどの時間を要します。再就職先に就職していることを確認するのに時間がかかるためです。再就職後の生活資金の計画を立てる際は、再就職手当の支給時期を考慮に入れておく必要があります。また、申請期限が就職日から1か月以内と短く設定されているため、書類の準備は早めに取り掛かることが大切です。

再就職手当は、早期の再就職を後押しする有効な制度ですが、同時にいくつかのデメリットや注意点があることを理解しておく必要があります。特に、転職を検討している場合は、再就職手当の適用条件や支給時期を十分に確認し、長期的なキャリアプランとの兼ね合いを考慮しながら、慎重に判断することが求められるでしょう。