長期的に見て金は上昇傾向

金相場を長期的にみた場合、上昇するという予想がされています。これは目先の相場ではなく、長期的な視野に立った時の見解です。実は金は自然界に存在する資産であるという特徴により、次に述べる理由で上昇すると考えられます。解説しましょう。

金は自然界にのみ存在し量が限られている

株、債券、FX、暗号資産(仮想通貨)などの様々な投資商品は、人工的に作り上げられているものが多く、その気になれば人為的に増やすことも可能です。しかし、金は原則として人工的に作り出せるものではありません。

厳密にいえば水銀にガンマ線を当てると原子核が崩壊するために金になるという理論がありますが、費用的には採算が合わず非現実的な方法です。そのため自然界に存在する金を採掘するしか金を手に入れる方法はありません。その金も地球上では有限のものとされ、将来的には採掘量が減少すると見られていることから、金の需要量が供給量を上回ると見込まれ、長期的に金相場が上昇すると考えられます。

採掘するのに余分な費用がかかる

限られた資源ともいわれている金ですが、採掘技術によってはまだ可能性があると言われています。海底や地球の中心近くには、眠っている金鉱脈があると考えられているからです。現状では困難な場所の採掘も需要が高まれば採掘の方向で技術革新が進む可能性があるでしょう。

しかしますます困難な場所の採掘を行う場合は、当然採掘のための費用(コスト)がかかります。採掘に加え流通に至る経路にも費用が必要でしょう。これらの新たな費用がかかれば、資産としての金に上乗せすることになるので、長期的に見ると金相場は上昇すると考えられます。

金の短期予測は判断が難しい

長期的にみれば上昇傾向にある金相場ですが、短期的にみた場合の予想は専門家とされる人でも難しいと言われています。金相場が上がる要素として、世界情勢が不安定になる結果、株価が下がったり、金相場が下がった時に安全資産としての金の需要が増えるときで、逆に金が下がる要因なのは、世界情勢が安定したタイミングでドルが上がったり、株価が上がったりするときです。

またインフレが起こった時も金も「モノ」のひとつとして他の「モノ」と同様に物価上昇します。いずれにせよ金を所有する場合は短期の投資ではなく長期的な財産として運用するほうが金の投資を考える際には有利と考えましょう。

長期保存する際に、アクセサリーなどに加工して宝物として身に着けておく。あるいは、「モノ」としての価値が無くならない「安全資産」である金を担保にして融資を受けて、得た資金を元手に別の投資を行うような事例もあります。