国債と銀行預金で本当に安全なのは

株やFXなどの投資はリターンが高い分、元本割れというリスクがつきものです。リターンがあまり多くなくてもよいから元本割れだけを避けたい場合は銀行預金か国債がおすすめです。では、国債と銀行預金のどちらが安全でしょうか?今回は銀行預金と国債とを比較してどちらが安全なのか解説します。

国債は預金より安全といえる

安全性だけで考えると日本国が出す債権の国債と民間銀行が用意している定期預金を比較すると国債のほうが安心です。理由は国(日本)が金融破綻する確率が限りなく低いからです。


出典:財務省「日本の借金の状況」

財務省が発表している日本の国債残高を見ると右肩上がりに増えており、日本の借金はとても多いのです。しかし、日本の借金は、自国通貨である円でのみ存在しているため、他国からの借金取り立てがないと言われています。そのため金融市場で日本が金融破綻する確率は限りなく低いという判断を持っているため、日本の国債は一般的に安全とされます。

銀行が破綻した場合は一部保証がある

一方で民間銀行の場合は、国よりも破綻する確率が高いです。ただし銀行が破綻しても、預金等の定額保護という措置が取られており、元本1,000万円までと、破綻日までの利息については保護されます。

預金の種類保護の範囲
決済用の預金
(当座預金、利息の付かない普通預金)
全額保護される
一般預金
(利息の付く普通預金や定期預金など)
1,000万円までは保護される
1.000万円を超える預金の場合は、破綻した金融機関の財政状況に応じてカットされる場合あり
外貨預金、譲渡性預金など保護の対象外
破綻した金融機関の財政状況に応じてカットされる可能性あり

預金保険機構によれば、1,000万円を超える預金の超えた分や外貨預金・譲渡性預金などの場合、保護対象外になるため、破綻した金融機関の財政状況によってカットされる恐れがあります。そのため定期預金が1,000万円未満であれば、ほぼ安全とみて問題ありません。

また1,000万円を超えても、当座預金や利息の付かない普通預金などの決済用預金に関しては全額保護の対象です。

金利でどちらを選ぶか判断

国債も民間銀行の定額預金(1,000万円以下)も基本的には安全策が講じられてます。最終的にはどちらのほうが実質金利で得かというのが選ぶ判断材料になります。

銀行の一般的な金利を見るとメガバンクの定期預金の金利が10年で0.3%なのに対して、募集中の個人向け国債の変動10年の表面利率が0.57%、固定5年は0.45%となっており、明らかに国債のほうが金利が得だという事がわかります。

一方で、国債の途中解約時には1年分の金利を放棄する必要があり、途中解約する際は国債より定期預金のほうが金利がお得な場合もあります。