個人向け国債は10年物が人気です

個人向け国債は変動10年、固定5年、固定3年の3種類ありますが、人気が高いのは変動10年です。その理由は変動10年が固定の5年、3年よりメリットがあるからです。変動10年がなぜ人気でねらい目なのか?
日経新聞でも紹介された、変動10年国債の特徴やメリット、注意点を解説します。

個人向け国債それぞれの特徴は

個人向け国債は3種類あり、それぞれの特徴があります。

個人向け国債変動10年個人向け国債固定5年個人向け国債固定3年
償還期間10年5年3年
金利種別変動固定固定
適用利率基準金利×0.66%基準金利-0.05%基準金利-0.03%
最低保証金利0.05%
利払い期間半年ごと
購入単位額面1万円単位

10年物と5年、3年物との大きな違いは、10年物だけが変動金利でほかの2銘柄は固定金利という点です。固定金利は購入時点で投資結果がわかるのに対して、変動金利は実勢金利に応じて半年ごとに利子が増減するため、最終的な投資結果は償還の時までわかりません。

10年国債のメリット

10年国債が人気なのは、10年国債には主にふたつのメリットがあるからです。

  • 年2回金利が見直される
  • 10年物国債は基準金利が高い
  • 以下、詳しくみていきましょう。

    年2回金利が見直される

    3年国債、5年国債は固定金利のため、国債を購入する段階で金利が固定されているため、償還期間までに金利が上昇したとしても、それに連動して金利が上がることはありません。しかし、10年国債は変動金利で、年に2回その時の実勢金利が見直されます。つまり金利が上昇すれば10年国債の金利も引き上げられます。

    特に現在の日本は金利が低く、今後金利が上昇する可能性が高いと予想されている為、今のうちに10年国債を購入しておけば、半年ごとに金利が上がれば見直された金利の分が享受できます。

    10年物国債は基準金利が高い

    10年物国債は5年、3年と比べて基準金利が高く、結果的に算出される利率が高くなります。

    基準金利(2024年5月)適用利率
    10年国債0.898%0.59%(0.898×0.66%)
    5年国債0.493%0.44%(0.493-0.05%)
    3年国債0.32%0.29%(0.32-0.03%)

    10年国債の注意点

    5年、3年国債と比べてメリットがあるため人気の高い10年国債ですが、注意しなければならない点があります。それは基準金利が下がる可能性がある点です。固定国債は購入時点ですべてが保障されていますが、10年国債の場合は基準金利が上がれば有利ですが、逆に基準金利が下がってしまうと、適用利率も下がります。

    金利については経済状況や社会情勢によって変動し、購入時に10年後の経済状況は誰にも予想がつきません。金利が下がることに不安であれば10年国債は避けましょう。ただし、いくら金利が下がっても0.05%は最低保証されます。