日経平均株価が最高値を更新した5つの理由
日経平均株価がバブル期につけた3万8,915円を超えて最高値を更新していることが話題となっています。本記事では日経平均株価が最高値を更新した5つの理由を解説します。
米国の株価上昇
インフレに対処するための急速な金利引き上げの影響で停滞していた米国の株価が上昇傾向を示しています。ダウ平均は2月下旬に3万9,000ドルを突破しました。もう一つの主要指数であるS&P500も2月下旬に大台である5,000を突破してするなど、米国株価は堅調に推移しています。好調な米国株価が日経平均株価を後押ししています。
日本企業の業績改善
2023年12月に公表された日銀短観をみると製造業を中心に改善傾向が続いています。具体的には大企業の製造業の指数がプラス12ポイントとなり3期連続で改善しました。
非製造業部門の指数は30ポイントのプラスとなり1991年11月の調査依頼、約32年ぶりの高水準です。中小企業でも指数の改善が見られ、全体として日本企業の業績改善が目立っていました。
引用:NHK
業績改善により日本企業に対する期待が高まり、日経平均株価が上昇したと考えられます。
新NISAの開始
2024年1月から新NISAがスタートしました。非課税期間が無期限となり制度が考究されたことや年間投資上限が360万円に引き上げられたこと、成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができるようになったことなど制度改善が図られました。
その結果、これまで投資をしてこなかった人も投資に関心を示すようになり、個人投資家の資金が株式市場に流れやすくなり、日経平均株価が上昇したと考えられます。
デフレ脱却の兆し
日本は「失われた30年」ともいわれた長期のデフレから抜け出しつつあるとされています。生鮮食料品を除くコアCPIが21カ月連続で日銀が目標としていた2%を超えていることから、近いうちに日銀によるデフレ脱却宣言が出されるかもしれないと考えられ、日経平均株価の上昇につながりました。
中国・香港からの資金シフト
中国・香港の市場から日本市場に資金がシフトしているという指摘もあります。中国では不動産大手の恒大グループの倒産やトップクラスの不動産会社「碧桂園」の経営危機がおこり、経済の先行き不透明感が増しています。
外国人投資家は中国株や香港株を売却し、かわりに日本株やインド株を買う動きを強めています。こうした動きも日経平均株価の上昇を下支えしているといえるでしょう。