株価が上昇すると4のメリットが得られるから

株価が大きく上昇するとニュースで大きく取り上げられ、景気への影響が論じられます。株価が上がると良い影響があるという意見が見られますが、なぜ、株価上昇が良いことといえるのでしょうか。今回は株価が上昇することの4つのメリットを紹介します。

企業価値が向上する

企業価値とは会社の価値を数値化したものです。株価が上昇すると企業の時価総額が向上するため企業価値を高められます。では、企業価値の高まりによって何が得られるのでしょうか。

得られるのは会社の信用です。株価の上昇により企業の知名度がアップすることで信用力が上がり、優秀な人材を集めやすくなるでしょう。会社の信用力が向上すると金融期間からの資金調達がしやすくなるという点でもメリットが大きいといえます。

また、株価が上昇し企業が成長を続けることで日経平均株価のような各種指数に組み込まれる可能性も出てきます。そうなると、さらに企業の価値を高めることができるでしょう。

自社で資金を調達できる

企業が資金を調達する方法は大きく分けて2つです。銀行などの金融機関から資金を借りる方法と株式や債券を発行して企業が直接資金を集める方法の2つです。

このうち、株式を発行する方法は株価が低いと集められる資金が少なくなってしまいます。1株あたり100円であれば1万株の株式を発行しても100万円しか集められません。しかし、1株1,000円であれば1万株の発行で1,000万円の資金が集められます。

金融機関からの融資や債券を発行して会社が借金を負うのと異なり、株式には調達した資金を返済する必要がありません。株式発行は企業が低負担で資金を調達できる手段であり、株価上昇は企業の資金集めにとって極めて有利な方法であることがわかります。

企業経営が安定する

企業経営の安定も株価上昇によってもたらされるメリットです。株価が上昇し、一度の株式発行で多くの資金を調達できるようになると、企業は人材確保や設備投資に資金を投入でき、事業をより大きく拡大できるでしょう。

企業業績が上向き、会社の利益が増加すれば賃金の上昇も期待できます。賃金が上昇すると消費が活発になるため、商品やサービスが売れやすくなり景気が良くなる可能性が高まるのです。

敵対的買収を防ぎやすくなる

株価が高いと敵対的買収の対象になりにくいというメリットがあります。敵対的買収とは買収される企業や株主の同意を得ない状態で、相手企業の株式を買い集めて経営権の取得を狙う買収方法です。

株価が低い企業は企業の時価総額が低く、敵対的買収を仕掛ける企業から見れば「手ごろな価格」で買収できてしまうでしょう。しかし、株価が高いと企業の時価総額が高くなってしまうため容易に買収できません。その結果、敵対的買収を防ぐことができるのです。