半導体市場の未来を予測します

IT化が進むにつれ、ますます需要が高まっている半導体市場はこの後も続くのでしょうか?今回は2025年までの短期予測や2030年までの中期、それ以降において半導体市場が今後どうなるかを予想します。

2024年から2桁成長の予測

半導体市場は2023年期は芳しくない結果に終わりました。しかし、SEMIジャパンが予測した半導体市場のグラフによれば、2024年以降はプラス成長(10%増)が予想されております。

出典:EETimes Japan

とはいえ2024年問題と言われている半導体不足が終息し、需要が減るのではと懸念されているのも事実です。それでも結果的に半導体製品が安価になり、電子機器への搭載量が増えて社会のデジタル化推進につながるという考え方もあります。

2030年に1兆ドル規模の可能性

2030年ごろの長期的な半導体業界を見ると、スマートフォンやタブレット、PCについてはコロナ禍時をピークに減少気味となっており、一過性のブームが過ぎたと考えられます。

とはいえ、自動車に半導体を搭載する割合が増加するため、長期的に明るいとの見通しがあります。加えて世界ではデジタル社会への移行が進んでおり、医療や産業用途で半導体の用途が増えていくものと予想されます。

AIの進化によるシンギュラリティーも契機のひとつに

現在急速にAIの進化が進んでおり、2045年にシンギュラリティと呼ばれる人間の知能を越える転換点を迎えると言われております。AIが進化し需要が増えれば、AIを動かすコンピューターを構成する半導体のニーズがあるということでもあり、新たな活況が期待されています。

同様に様々な業界や業種で行われているDX化による生産性の向上で、半導体のニーズはさらに増えていくものと考えられます。

新たなアイデアが半導体の性能向上へ

従来では集積度に依存していた半導体ですが、微細化が進み限界が見え始めていると言われています。しかし、新たなアイデアが構築されつつあり、例えば従来なら二次元だった半導体を三次元化したチップを開発する動きがあります。

チップを積み重ねることで実現できる三次元化の正確さや精密さを実現できる企業や樹脂を使ったパッケージングの技術を有する企業は将来的な成長が見込まれます。

日本の半導体生産能力の高さ

日本の半導体市場を見ると、自動車メーカーの需要が高いことから、今後も発展が期待されています。世界各国と比べてもそん色なく業界が発展しております。

特筆すべきは半導体を製造するための装置市場でのシェアはとても高く、アメリカに次ぐ規模を有しており、半導体生産の需要が高まれば装置市場も活気づくと考えられます。