注目のパワー半導体銘柄を紹介

炭化ケイ素(SiC)という化合物を活用しているパワー半導体は電気自動車の普及に伴い、ますます関心が高まっています。パワー半導体は自動車以外の需要拡大が見込まれているため今後目が離せない銘柄です。今後注目したいパワー半導体銘柄を紹介しましょう。

東洋炭素(5310)

昭和16年創業の東洋炭素は、特殊黒鉛製品で熱や電気誘導性に優れ、軽量で加工が容易な等方性黒鉛のパイオニアとして世界でも高いシェアを誇ります。

等方性黒鉛を生かしてSiC半導体などの化合物半導体製造用に活用されています。公式ページによれば2021年から6年計画で125億円の投資を行い、黒鉛の純度を高める処理を行う新工場を稼働させ、半導体業界の要求に応じるべく生産力強化を目指しています。

ローム(6963)

ロームは、元々SiCパワー半導体に強みを持っています。公式ページによれば、2024年3月時点のパワー半導体メーカーで、ロームは既に国内で高いシェアを持っていますが、さらなるシェア拡大に向け、2027年度をめどに5100億円の投資をSiC事業全体で計画しています。

2027年度2700億円を目指し、SiCパワー半導体の世界市場でも首位を狙い、3割のシェアを目指しています。

富士電機(6504)

自社でパワー半導体を開発製造してエレクトロニクス機器を提供している、国内のパワー半導体業界の大手である富士電機も、公式ページによれば大幅な投資を計画中です。

2024年からの3年間で2000億円規模の投資を半導体分野に行う計画があります。SiCパワー半導体の生産ラインを国内工場に新設し能力を増強する予定で、2027年度には8インチの大型化したウエハーの生産を始める予定です。

ディスコ(6146)

ディスコは、公式ページによるとシリコンよりも硬度が1.8倍あるSiCパワー半導体の切断装置を製造し、半導体製造工程装置では世界首位を誇ります。

従来SiCパワー半導体の切断は困難と言われていたところを、レーザーで切れ目を入れて板の圧力で細かく切断する装置を開発しました。そのようなことから、これからますます需要が高まるSiCパワー半導体業界で高く注目を集めています。

レゾナック・ホールディングス(4004)

半導体の後行程材料では世界首位を誇るレゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)は、SiCパワー半導体の主要材料でもあるSiCエピウエハー事業でも、世界的な企業として知られています。

公式ページによると2022年を基準に5年以内に5倍の売上を目指すと発表しました。データセンターのサーバー電源やEVで採用が増加しています。