人気エリアと人気のないエリアとの二極化

2023年は中古マンションの価格が上がった理由として、コロナ渦の影響で他人を家に人を入れたくないなど、自宅の売却が減ったことが影響しているのかもしれません。自宅の売却が減ると、今度は中古マンションの在庫が減り、結局需要に供給が追い付かなくて価格が上昇しました。

ただ、2023年のマンション価格について見てみると、人気エリアの価格は確かに上がりましたが、あまり人気エリアのないエリアは逆に下落すると言う二極化が現れます。そのため、不動産バブルが崩壊して価格が下がると言うよりは、2024年も2023年のように二極化が続いていくと予想されます。

3つの㎡単価が横ばいに?

中古マンションで在庫が減っていたのは築浅と呼ばれる比較的新しい建物です。この築浅物件は高値で取引されていましたが、逆に築年数の古いマンションは、人気がなくて売れゆきも悪く、価格が下がっていました。ただ、2023年10月度の「サマリーレポート」で直近の中古マンション㎡単価の推移を見てみると、中古マンションの㎡単価が成約㎡単価の上昇と比べて、新規登録㎡単価と在庫㎡単価が横ばいになっていることがわかります。

つまり、2023年の後半では、成約・新規登録・在庫の㎡単価が同じくらいに推移するとの不思議な現象が起きています。これも一種の二極化の影響ですが、2024年はこの二極化がさらに複雑化する可能性が高いです。

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構 月例速報 Market Watch サマリーレポート2023 年10月度

都心は上がる?郊外は高止まりと予想

中古マンションの2024年の価格を見てみると、都心などの再開発エリアを中心にして値段は上がっていくと見られています。では郊外はどうかと言えば、こちらは高止まりするか、もしくはやや下落していくとの見方が強いです。また、中古マンションの中でもリノベーション済みの物件は価格が高すぎることから、買えない人が増えて余りも出始めています。

そのため、都心郊外でも物件の種類によっては値段が下がらず、高止まりする物件もあります。ただ、郊外エリアでも人口が減っているエリアでは、物件の下落が続いており、複雑な二極化は今後も続いていくと予想できるでしょう。

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構 月例速報 Market Watch サマリーレポート2023 年10月度

首都圏の中古マンションの価格相場と推移

首都圏の中古マンションの価格は、1戸あたりの平均価格が3,883万円となり、前月比+0.5%とアップ(2024年1月30日のデータによる)しています。また、千葉県西部は6カ月連続で下落の動きを見せている一方で、東京23区や東京都下、神奈川県などの3エリアでは2017年1月以降の最高額が更新されました。特に、千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区の都心5区については、在庫回転率が高いので、成約価格も横ばいから増加傾向にあり、マンション取引が少ない千代田区を除いて、今後も高騰すると予想できます。

出典:at home

出典:PR TIMES