VRの市場状況
ICT市場調査コンサルティングのMM総研の調査では、VRゴーグルの2022年度の国内販売台数は48万台(前年度比26.3%増)と発表されました。VRの活用分野も、ゲームやエンターテイメントだけでなく、医療や教育、研修活動など、多岐にわたるようになってきました。
今後もVRデバイスの技術が進歩したり、コンテンツの拡充が見込まれることから、VRゴーグル市場は、2027年度には185万台になると予測されています。
今後のVRの需要が高まる分野
今後、VRの需要が高まると予想される分野として、医療とエンターテイメントが挙げられます。ここでは、それぞれの分野でのVRの活用事例を紹介します。
医療分野
医療分野では、VRを用いた手術シミュレーションや医療教育が行われています。イギリスでは、外科トレーニング用VRが開発されています。VR技術を活用することで、実際の患者に触れることなく、リアルな手術体験を積めることが魅力です。
さらに、MRを活用した手術ナビゲーションの開発が進められています。MRは、現実世界と仮想世界を融合させる技術です。これまでは、CTスキャンの画像を医師が頭で立体的に想像しながら、経験をもとに手術をしていました。今後は、CTスキャンの画像から3D画像を現実の視野に重ねて表示し、3Dモデルを観察しながら手術をスムーズに進められるようになるでしょう。
エンターテイメント分野
VRを用いたゲームやライブ配信が人気を集めています。5Gの登場により、VR業界の今後が大きく変わると期待されています。5Gは、高速・大容量・低遅延の通信を実現する次世代通信システムです。
5Gの導入により、VRコンテンツの配信がスムーズになり、ユーザーは高品質なVR体験を楽しめるようになります。VRライブ配信では、タイムラグが低減され、よりリアルタイムな体験が可能になるでしょう。
VRの今後の課題
VRは多くの可能性を秘めている一方で、いくつかの課題も抱えています。まず、VR機器の価格が高いことが挙げられます。HMDやVRゴーグルなどのデバイスは、まだ一般的な価格とは言えず、普及を妨げる要因となっています。
さらに、VR酔いの問題もあります。没入感の高いVR体験は、一部のユーザーがVR酔いを引き起こすことがあります。この問題を解決するためには、さらなるVR技術の向上が必要となるでしょう。
まとめ
VR市場は年々拡大しており、今後も医療やエンターテイメントを中心に需要が高まると予想されます。一方で、VR機器の価格やVR酔いなどの課題も残されています。これらの課題を解決し、さらなるVR技術の進歩と普及が期待されています。