日経平均株価が上昇する要因

日経平均株価が上昇する要因として日銀による緩和政策の維持と賃金の上昇があげられます。

日銀の緩和政策の維持

日銀は市場に資金を供給し、デフレ経済を脱却するためにマイナス金利という異例の金融緩和を行ってきました。アフターコロナの対応でアメリカをはじめとする諸外国が金利を引き上げる中でも、日銀はマイナス金利を維持し続けました。

しかし、2024年1月の消費者物価指数をみると日銀が目指していたデフレから脱却しつつあることがわかります。

総務省が発表した2024年1月分の消費者物価指数は2020年を100とした場合、106.9となりました。前年同月比では2.2%の上昇となります。

引用:統計局ホームページ

日銀が2%のインフレ目標を達成した後も、マイナス金利を維持したり、金利の上昇を最小限に止めた場合、株式市場にも多くの資金が流入する状況を維持できるため、株価にとってプラスの要因となるでしょう。

賃金の上昇

株価の上昇により企業が資金調達しやすくなれば、設備投資や賃金に資金が回る可能性が高まります。そうなれば、経済の循環がよくなり日本経済に対する期待が高まることになり、日経平均株価が一段と上昇する可能性があります。

日経平均株価が下落する要因

日経平均株価の上昇期待が高まっていますが、その反対に下落するかもしれないという見方もあります。下落要因として指摘されているのがアメリカ経済の動向と地政学的リスクです。

アメリカ経済の急失速

日本株が上昇している理由の一つに堅調なアメリカ経済があります。利上げによってリセッションに見舞われるのではないかと警戒されていたアメリカ経済ですが、2024年2月現在では、好調を維持しています。

アメリカを代表する株価指数であるS&P500は2月下旬に大台の5,000を突破し、2024年3月1日には5,137と直近最高値を記録しました。

市場はアメリカ経済を堅調とみなしていますが、市場予想よりも悪化するデータが出ると、それに連動して日経平均株価も下落する可能性があります。

地政学的リスクの増大

地政学的リスクの増大も日経平均株価の下落要因となります。2024年11月のアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が再選すると、米中の貿易対立が激化して世界経済を冷え込ませる可能性があります。

また、中国と台湾の対立激化による台湾有事が発生することも日経平均下落の要因となるでしょう。