日経平均株価が上がると何が変わる?

2024年3月上旬、日経平均株価が連日最高値を更新しています。株価の上昇によって私たちの生活にどのような影響が出るのでしょうか。日経平均株価上昇による4つの影響を解説します。

金融資産が増える

日経平均株価が上昇すると、金融資産の増加が期待できます。特に恩恵が大きいのは積立投資で日経平均株価に連動する投資信託やETFを購入している人や日経平均に組み込まれている株式を購入している人です。

株価が上昇しているタイミングで売却すると利益を確定できますし、さらなる上昇を狙って買い増しや長期保有している人にとってもプラスの状況といえるでしょう。

賃金上昇が期待できる

株価が上昇すると企業は資金を集めやすくなります。すると、リスク回避のために資金を企業内に貯めこむ「内部留保」よりも、事業拡大のために優秀な人材を確保するための賃金上昇を選択する企業が増加するかもしれません。

加えて、人手不足が深刻化しつつあります。もともと賃上げ圧力が高まっているところに日経平均最高値のニュースが報じられたため、企業が人手不足や人材確保のための賃上げに踏み切る可能性が高いといえるでしょう。

また、賃上げにより消費の増加が期待できるため生産活動や新規雇用の促進が期待できます。すると、企業は設備投資や人材確保のための賃上げを行って競争に勝とうとしますので、経済の好循環が生まれます。そうなれば、私たちからみても「生活が良くなった」と実感しやすくなるでしょう。

デフレ脱却が期待できる

日経平均株価の上昇は経済の好循環の第一歩と考えられます。企業は金融機関から資金を調達せずとも株式発行という形で資金を集めやすくなり、新規投資や賃金上昇をしやすくなります。

1990年代半ば以降、日本は長期にわたって物価が低迷するデフレに悩まされてきました。デフレになると物価が安くなるという良い面もありますが、賃金が上昇せず、経済活動が停滞するという大きなデメリットもあります。

日経平均株価の上昇により経済活動が活発になれば、長年のデフレから脱却できる可能性が高まるでしょう。

年金運用が改善する

日経平均株価の上昇は年金の運用にも良い影響を与えます。私たちが納付した年金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が行っています。GPIFは年金の資金を使って債券や株式など複数の試算に分散投資、安定した運用を行ってきました。

日経平均に含まれる株式もGPIFの購入対象に含まれているため、日経平均株価が最高値を更新すれば、年金運用実績の改善が期待できるのです。