なぜ舌苔ができるのか

舌苔とは舌の表面に付く白っぽい汚れのようなものです。舌苔の正体は口の中の細菌や粘膜、食べカスなどでできています。見た目も汚く口臭や味覚障害などの原因にもなります。舌苔が付きやすい場所としては舌の中央から奥にかけての部分です。舌の奥の方は唾液なども届かず細菌が繁殖しやすい環境が整っています。舌苔ができているか確認する場合は舌を前に出して奥の方を見てください。

唾液の減少

ドライマウスなど口内が乾燥しやすい状態になると、唾液の洗浄効果が弱くなり、舌の上に汚れが溜まるため舌苔ができやすくなります。ドライマウス以外にも高齢化やストレスの増加などで唾液の分泌が抑えられることでも舌苔の量が増えてしまいます。

口呼吸

口呼吸をすることで唾液が乾燥してしまい、唾液の洗浄能力が落ちます。そのため、舌苔ができやすくなります。また口呼吸は鼻呼吸より酸素の吸収量が少ないため、代謝が落ちてしまい、その他の虫歯や歯周病が進行してしまいます。

歯磨き・舌磨きの不足

日々の生活の中のブラッシング不足が原因で口内に汚れが溜まり、舌苔の量が増えてしまいます。舌を清掃している人は全体の約20%というデータもあり、まだ舌磨きが浸透していないという現状があるのも事実です。

舌苔の対策方法

舌苔は細菌などが集まってできているため健康面でも不調をきたす要因にもなり得ます。ひどい場合には舌苔の細菌を誤嚥して肺炎を引き起こすこともあるので注意が必要です。もちろん口臭もキツくなるため対人関係にも影響が出そうですね。

こまめに口内乾燥を防ぐ

舌苔の増加は口内の乾燥が原因となって引き起こされるので、こまめに水分補給をするなどして口内の乾燥を防ぎましょう。無意識のうちに口が開いていると指摘される人も口内乾燥の危険があります。舌苔のことを意識するだけでも変わってくるので普段の自分を見返してみてください。また、酸っぱいものを食べて唾液の分泌を増加させることも口内乾燥を防ぐ1つの手段です。

1日1回の舌磨きを徹底する

1日1回の舌磨きを徹底することで、舌苔の増加を抑えることができます。おすすめは口内が乾燥し、舌苔が溜まりやすい朝です。ここで注意したいのが舌磨きの頻度を「1日1回に抑える」ということです。舌はかなりデリケートな部位なので、1日に何度も舌磨きをしてしまうと、舌苔が溜まりやすくなってしまいます。

舌苔を磨く時には舌ブラシか柔らかい歯ブラシを使用して、舌の奥から前方に軽い力で3回ほど汚れを掻き出してください。少しずつ横に移動させながら全体を磨いていきます。

出典:ライオン歯科衛生研究所