気圧変化による頭痛のメカニズム
梅雨の時期など、天候が崩れると頭痛に悩まされる方は多いでしょう。実は、気圧変化と頭痛にはある関係性があります。ちなみに、梅雨時に限らず、天候によって体調を崩す症状を「気象病」と呼びます。気象病は、自律神経(交感神経や副交感神経など)が気圧の影響を受けやすいのがそもそもの原因です。
自律神経は、血液の循環や呼吸、消化活動などの重要な部分を正常に保つためにあります。暑い時に汗をかいて体温を下げようとする、反対に冬は体を震わせて体温を上げようとするのも自律神経の働きです。このように、自律神経は重要な役割があるわけですが、気圧変化などに過敏に反応してしまうと、頭痛が起こる原因になります。
低気圧で頭痛が起こる理由
気圧の変化で自律神経が乱れると頭痛が起こることが多いです。なぜ低気圧で頭痛が起こるかと言えば、前庭神経(内耳と脳をつなぐ役割があり、体の平衡感覚を保つ神経)が関係していると言われています。具体的には、普段から頭痛が多い人は、低気圧が近づくと、そのわずかな気圧変化を内耳が敏感に感じ取り、前庭神経が興奮してしまいます。
その前庭神経が興奮すると、脳の血管拡張を司る物質が体内に放出され、その物質が三叉神経を刺激すると頭痛が起こるという仕組みです。つまり、気象病(頭痛など)は体内の特定の神経(自律神経や前庭神経)が過敏に反応することで起こる症状とも言えます。
出典:大正製薬
気圧変化による頭痛の予防と対策
気圧変化で頭痛が起きないようにするためには、まず自律神経を整えるのが先決です。そのためにも、以下のような生活を心がけてみましょう。
- 朝起きたら、日光を浴びて体内時計をリセットする
- 朝食はしっかりと食べる
- 日中は軽くても良いので運動をする
- ぬるめのお風呂でリラックスタイム
- 寝すぎや寝不足を防ぐ睡眠習慣
気象の変化は人によってはストレスになりますが、頭痛を防ぐなら、まず自律神経を整えて、気圧変化にも負けない体を作ってみてください。
コーヒーを飲んで対処
コーヒーに含まれるカフェインには、血管を収縮する働きがあります。頭痛の原因には血管の拡張もあるため、コーヒーで収縮させると痛みも軽減するかもしれません。ただ、カフェインは血流に吸収されると、アデノシン(眠気を誘う成分)と呼ばれる化学物質をブロックします。そのため、カフェインが脳で中枢神経系を刺激することでストレスを助長し、逆に頭痛の原因になる可能性もあります。
とは言え、即効性が期待できるので、あくまでも対処法の1つとして考えてみてください。そのうえで、どうしても痛みが酷い場合は専門医院を受診しましょう。ちなみに、コーヒーが苦手な方は、同じようにカフェインが含まれる緑茶や紅茶でも効果があります。