耳鳴で頭痛を伴う原因と対策
耳鳴りは耳の病気やストレスなど様々な原因で起こります。では耳鳴りと同時に頭痛がする場合はどんな症状なのでしょうか?今回は耳鳴りと同時に頭痛を引き起こす原因と、症状が出た場合に受診する医療機関について解説します。
出典: 松浦みみ・はな・のどクリニック 顔面神経麻痺・Ramsay Hunt(ラムゼイハント)症候群
耳鳴りで頭痛を伴う原因は
耳鳴りと頭痛が起こる症状が出る場合考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか?以下、4つの症状について解説します。
更年期障害
40歳台半ば以上の女性が耳鳴りと頭痛の症状を感じた場合は、更年期障害の可能性があります。更年期障害は閉経の10年前くらいから起こる症状で、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少し始めるため、自律神経が乱れやすくなります。更年期障害はめまいや息切れ、体のだるさ、イライラ、気分の落ち込みなど様々な症状があり、更年期障害のひとつとして耳鳴りと頭痛が引き起こされる場合があります。
片頭痛
強いストレスや、ストレスから解放された後、急激な気圧の低下、食生活や睡眠が乱れているといったときに、突然襲ってくる頭痛が片頭痛です。片頭痛の前兆に閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる光が視野に見える現象が起こります。片頭痛ではズキズキした頭の痛みが襲ってきますが、このときに耳鳴りが発生する場合があります。耳鳴りの他にも吐き気や嘔吐を引き起こすこともあるので注意しましょう。
自律神経失調症
自律神経失調症は、主にストレスが原因で起きる現象で、耳鳴りの症状が起こる可能性のひとつですが、頭痛を伴う場合があります。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると起こりうる現象です。頭痛の他にも食欲不振やめまい、睡眠障害、下痢、便秘、肩こりといった症状を引き起こします。
ラムゼイハント症候群
ラムゼイハント症候群とは、帯状疱疹の一種です。水痘帯状疱疹ウイルスが感染して起こる症状ですが、耳に発症した場合にこのような名前がついています。ラムゼイハント症候群は頭痛や耳鳴りの他にも、顔面神経麻痺や、耳周囲の水膨れ、めまいなどを発症します。早い段階での治療が必要で、軽症・中等症の場合なら2〜3ヶ月以内で治癒する場合が多いです。
特発性頭蓋内圧亢進症
特発性頭蓋内圧亢進症(とっぱつせいとうがいないあつこうしん)は頭蓋骨内部の圧力が上昇すると起こる症状で、原因は不明です。毎日のように頭痛が起こり耳鳴りが聞こえたり、吐き気やかすみ目などが伴います。放置すると視力を失う恐れがあるのでできるだけ早く受診するようにしましょう。
耳鳴りと頭痛が伴う場合は神経内科医・頭痛専門医に相談
耳鳴りと頭痛が伴う症状が出た場合は、病気が潜んでいる場合があります。受診する医療機関は耳鼻咽喉科ではなく、神経内科医や頭痛専門医に相談した方が原因を早く突き止められ、適切な治療が受けられるでしょう。