金投資をした場合のデメリットやリスク

金は希少性の高さや見た目が美しいことに加え、安定資産、安全資産と呼ばれています。しかし、金の投資にもデメリットやリスクがあります。今回は金の投資に潜んでいるポイントを解説し、理解したうえで金を取り扱うかどうかの判断材料に利用してください。

インカムゲイン(利息や配当など)はない

金を保有をするだけでは利益を得ることができません。株や預金の場合は保有すると、株の場合企業の業績が上がれば配当がつきますし、預金の場合は利息が入ります。不動産を投資する場合、家賃収入を得ることができます。

これらをインカムゲインと呼びますが、金にはインカムゲインはありません。金の場合は金相場が上がった時に売却すると売却益が出るキャピタルゲインだけが投資のメリットのため、他の投資商品よりも保有自体のうまみがありません。

現物の場合は盗難のリスクがある

金はほかの投資商品にはないリスクが潜んでいます。それは現物所有している場合に盗難の恐れがあるからです。ほかの投資商品、暗号資産(仮想通貨)を始め、株、債券、FXといったものは、現在仮想的な電子取引を行っており、現物を自宅で保管することは基本的にありません。金融機関のコンピューター内で保管されているそれらの資産は非常に高度なセキュリティで守られています。そのため盗難のリスクは非常に低いです。

金の現物を自宅で保有する場合、安易な保管をしていると盗難のリスクが高いでしょう。また金貨やアクセサリーとして金を所有している場合、紛失の恐れもあります。そのため金庫などを用意して厳重に保管しなければなりません。

取引手数料が高めである

金を取引する際には手数料が高いというデメリットがあります。取扱業者によって手数料に違いがあるものの、一般的な相場として総額の1割から3割といわれています。金の現物の取り扱いに手数料がかかるのは次の理由があるからです。

金を精製する場合に金の総量が目減りする

買い取られた金製品は溶かして精製し、コインや延べ棒などの地金にしたり、ジュエリーに加工されますが、その場合に金の量が目減りしてしまいます。総量が減ることで再加工した金は加工前の金より価値が目減りするため手数料で補うことになります。

精製や加工にかかる費用が掛かる

精製や加工を行うには、専門の技術者や溶解、加工するための機械や設備が必要です。これらの費用を補うために金の取引で手数料が発生します。

精製可能な業者との取引で利益を得る

金を取り扱う業者の多くは、自社で精製・加工はできません。そのため精製・加工が可能な大手の業者に再販売します。その際に業者には利益を上乗せして売却することになるのですが、金相場は日々変動している為、タイミングを間違えると損失の恐れがあります。そこでリスクを分散する意味で手数料を設けている場合があります。