ダウ平均株価とは

ダウ平均株価(NYダウ)の正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」と呼びます。アメリカの様々な業種から30の代表銘柄を選んで平均株価を算出している制度です。ダウ平均株価はリアルタイムで公表しており、2024/5/23のダウ平均株価は39,065.26ドルです。今回はダウ平均株価の成り立ちや基本的な仕組みについて解説しましょう。

ダウ平均株価の沿革

ダウ平均株価のダウとは、現在のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社による株価指数です。ダウ平均株価の歴史は19世紀後半にさかのぼります。

1882年に設立された当時のダウ・ジョーンズ社は、1889年にアメリカの経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル」を創刊し、アメリカの経済情報の発信を始めました。ダウ・ジョーンズ社は1884年の時点で株価指数を公表していましたが、当時は鉄道事業者を中心とした構成でした。その後1896年に新たに鉱工業や農業などの12銘柄を対象にした指標をスタートします。これがダウ平均株価の始まりです。

1928年に現在と同じ30銘柄になりました。その時々のアメリカの主要な産業の銘柄を取り込みながら、アメリカはもとより世界経済への影響を持つほどの指標となりました。1999年11月には、NASDAQ上場企業からも選ばれるようになり、2024年2月現在では30銘柄のうちの7銘柄がNASDAQから選ばれています。

経済界での特徴、役割、位置付け

ダウ平均株価は、アメリカの代表的な株価指数です。世界最大の経済大国であるアメリカの株価指数は、アメリカ国内はもとより世界経済に影響を及ぼしています。選ばれている30の銘柄は、誰もが知っているような会社で、世界経済をけん引するような企業が選出されています。そのため世界中の投資家が、ダウ平均株価を常に注目しており、ダウ平均株価の位置づけは、事実上世界経済の現状そのものといえるでしょう。

銘柄の入替えについて

時代ごとに主要銘柄を30選んでいるため、ダウの銘柄は入れ替えが行われます。入れ替えるタイミングは「〇年ごと」という風に決まったものではなく、その時々の市場環境の変化に応じて弾力的に入れ替えられます。2000年以降の統計によれば、平均して1年から2年ほどのタイミングで1社を入れ替えています。

銘柄の選び方ですが、ダウ平均の指標を算出しているS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が、企業の実績や将来性、名声、投資家からの注目度などを確認したうえで、「株価平均委員会」にて決定されています。数字上の明確な基準はありません。