気になる世代格差

2023年の総務省統計局が出した二人以上の世帯を対象にした家計調査報告によると1世帯当たりの平均貯蓄現在高は1904万円でした。前年に比べて3万円増加しているものの勤労者世帯では1474万円で前年に比べて34万円減少しています。負債現在高の平均は655万円で前年よりも79万円増加、勤労者世帯でみると1009万円で前年よりも130万円も増加しています。

貯蓄額が増加するのは5年連続です。気になるのは勤労者世帯では全体の平均値よりも低く減少傾向にあることです。負債の額も勤労者世帯の方が平均値よりも増加していることが気になります。今回は世帯別の貯蓄額を総務省統計局の最新のデータを元に解説していきます。

40代未満の平均貯蓄額

40代未満の平均貯蓄額は782万円です。40代未満であれば結婚や子育て家の購入などで支出が増えることが考えられます。会社でもそれほど上の役職につけることも少ないので収入面でも期待はできないでしょう。支出の割合でも9割が土地や建物で占められています。子供がいるか、共働きかで貯蓄額に差が出てくると思いますが世代別で見ると一番貯蓄額が少ない世代になっています。給料は日々の生活費に消費されて手元に残れば家のローンなどの支払いに消えることが多いでしょう。

40代の平均貯蓄額

40代の平均貯蓄額は1208万円です。やはり家のローンや子供の進学などで支出が増える世代なのでしょう。40代未満同様、人によっては結婚、子育て、家の購入などが40代から始まる人もいるので貯蓄額が少ないのが実情です。40代に入ると給料から介護保険料が引かれるようになるので老後への意識も自然と高まってくる年代です。

50代の平均貯蓄額

50代の平均貯蓄額は1705万円です。会社でも重要な役職についたり子供も独り立ちしたりしてお金に余裕ができる人が増えてくる年代です。この頃になると自分の趣味や遊びなどにお金を使えるようになってくるでしょう。それと同時に健康面でも不安になる人が増えてきます。

60代の平均貯蓄額

60代の平均貯蓄額は2432万円です。50代の頃と同様に会社の中では重要な役職につき家のローンも払い終わるような頃なので収入の全てを貯蓄に回せるようになってきているためでしょう。今現在の会社の退職年齢の平均は65歳ごろなので60代は半分ぐらいしか貯蓄で増やすことができません。老後のための資金も貯蓄しておかなくてはならないため計画的にお金を使うようになっていきます。

70代の平均貯蓄額

70代の平均貯蓄額は2503万円です。60代の頃の平均貯蓄額とほとんど変わらなくなっています。会社は退職して年金暮らしの方がほとんどなので収入は増えずこの貯蓄額で過ごしていくでしょう。この年代から年金をもらいながら少しずつ貯蓄額を切り崩して生活していく人が大半です。

出典:政府統計局